物流不動産バブル崩壊? 空室率10%、賃料下落…2024年問題がもたらす過剰供給と拠点郊外化の理由とは
物流不動産市場は、空室率上昇や賃料減少、金利上昇といったマクロ経済の影響を受け、成熟期に突入。しかし、「2024年問題」に象徴される業界の構造変化や労働力不足が新たな課題となり、市場は依然として変革の波に揺れ動いている。
物流不動産の転換期

物流不動産(物流業務を行うための施設として第三者へ賃貸される、倉庫・物流センター等の建物)の先行きに懸念を抱かせるようなニュースが続き、一部で議論を呼んでいる。
そのひとつは空室率の上昇である。大手事業用不動産サービス会社であるCBREが公表した調査レポートによると、首都圏の大型マルチテナント型物流施設の空室率は10.1%であったという(2024年第3四半期)。
大型物流施設の空室率は、コロナ禍以降の倉庫不足等によって一時は1%台にまで逼迫していたのだが、当時と比べるとかなり需給が悪化したとも取れる数字である(ただし10%という空室率は諸外国と比べると特段高い数値ではない)。
そのほかにも、賃料上昇の勢いが落ち、一部では下落に転じていることも報告されている。また、やや性質は異なるが、物流REIT(不動産投資信託)の主力銘柄の一部で価格(投資口価格)がジリジリと下落していることも、物流不動産への懸念を強めている。
コロナ禍以降、通販需要の増大などによって絶好調だった物流不動産だが、ここに来て転換期に近づいていると見方も出てきているようである。そこで本稿では主に首都圏の大型物流施設を対象として、マクロ的な状況変化を踏まえたうえで、今後あり得るシナリオを考えてみたい。