物流不動産バブル崩壊? 空室率10%、賃料下落…2024年問題がもたらす過剰供給と拠点郊外化の理由とは
物流不動産市場は、空室率上昇や賃料減少、金利上昇といったマクロ経済の影響を受け、成熟期に突入。しかし、「2024年問題」に象徴される業界の構造変化や労働力不足が新たな課題となり、市場は依然として変革の波に揺れ動いている。
2024年問題も拠点の利便性に影響

現在懸念されているのは主に、以上のようなマクロ経済レベルの課題だが、物流視点での構造変化も目配せしておく必要がある。その筆頭に挙げられるのは、2024年問題の影響だ。
周知のとおり2024年問題により、ドライバーの労働時間削減が急務となっており、例えば長距離輸送のトラックは、法改正によって概ね1時間程度労働時間を減らすことが求められている。その影響から、交通利便性のよい立地の拠点へのニーズが高まる一方、都心から離れているなど不便な拠点が敬遠される傾向にある。
例えば大阪・名古屋方面から首都圏に貨物を輸送するトラックを考えてみると、同じ首都圏エリアでも輸送先が東京湾岸部にある場合と、千葉県や茨城県にある場合とではドライバーの労働時間に大きな差を生む。その場合、残業規制に引っかからないように中継拠点を設けて、複数のドライバーがリレー方式で輸送するなどの工夫が必要となる場合があり、コスト増に繋がる。
2024年問題の影響はさまざまな領域に及んでいるが、このように拠点のニーズに与える影響も無視できない。