物流不動産バブル崩壊? 空室率10%、賃料下落…2024年問題がもたらす過剰供給と拠点郊外化の理由とは

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物流不動産市場は、空室率上昇や賃料減少、金利上昇といったマクロ経済の影響を受け、成熟期に突入。しかし、「2024年問題」に象徴される業界の構造変化や労働力不足が新たな課題となり、市場は依然として変革の波に揺れ動いている。

作業スタッフ確保難の懸念

物流センターのイメージ(画像:写真C)
物流センターのイメージ(画像:写真C)

 物流拠点の郊外化が進むことのもうひとつの弊害は、庫内作業のスタッフ確保難である。

 以前から物流拠点が立ち並んでいた湾岸部はもちろん、国道16号沿線のエリアは比較的人口が稠密な地域であり、パートタイム労働者の供給も多い。具体的には相模原、春日部、三郷といった都市が該当するが、これらの地域は高度成長期に開発された、郊外型団地が建ち並ぶような地域である。従って短時間労働を希望するパートタイム労働者が確保しやすいエリアであるのだが、その外側は都市化の進展がまばらである。このようなエリアではスタッフ確保も容易でない。

 例えば、圏央道よりも外側の、埼玉県と群馬の県境に位置する羽生市近辺には、ここ十数年ほどでかなりの数の物流施設が開発されたが、羽生市の人口は5万人を若干上回る程度で、隣接自治体を含めても労働者の確保には不安が残るエリアである。

 そのような地域では仮に物流上の利便性が高かったとしても、そこで働くスタッフを集められるか、という問題が出てくる。これは物流業としては致命的な問題であり、今後、首都圏でも人口減少に転じることが確実な情勢を踏まえると、懸念材料となる。

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