「彼氏の免許がオートマ限定でした」は恥ずかしい? イケメンなら許される? いまや20歳男性の「35%」が限定免許、時代の意識を考える

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近年の20歳の運転免許保有率は53.5%と減少傾向にあり、その中でもオートマ限定免許の割合が突出して高い。特に男性のオートマ限定に対する偏見や「イケメン補正」といった要素が話題となるなか、多様性を尊重する新しい価値観が求められている。

SNSが生むオートマ限定論争

 一方で、オートマ限定を巡る議論は、見栄や印象だけにとどまらない。日本の運転免許制度を見てみると、マニュアル車が必要とされる場面は限られている。農業用トラックや一部の業務用車両を除けば、日常生活ではオートマ車で十分事足りる。

 さらに、都市部では公共交通が発達しており、車を所有する必要性が薄れている。実際、「車を購入するつもりはない」と答えた20代は35.2%に上り、「自分の車を持っている」という回答(12.9%)を大きく上回っている。この現実を踏まえると、「免許の種類」にこだわること自体が時代遅れだといえる。

 それでもなお、「オートマ限定の彼氏」という話題が取り上げられるのは、現代のSNS文化やコミュニケーションの特性によるものだ。具体的には、

「ネタとしての面白さ」

が挙げられる。SNSでは、軽い話題や笑いを誘う投稿が拡散されやすい傾向にある。このような話題は、免許の種類そのものではなく、「意外性」や「ギャップ」を楽しむために共有される。

 また、「オートマ限定 = 頼りない」という偏見を語ることで、自分や周囲の男性を相対的に高く評価する手段としても機能する。特に、免許を取得している男性やマニュアル免許を持つ人々にとって、この種の話題は「自分は違う」という安心感を得る材料になることが多い。

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