「彼氏の免許がオートマ限定でした」は恥ずかしい? イケメンなら許される? いまや20歳男性の「35%」が限定免許、時代の意識を考える
「イケメン補正」が変える評価の尺度

ここで視点を変え、「イケメン彼氏」の話題に注目する。
「イケメン」は日本独自の言葉で、「イケてるメンズ」を略したものだ。外見が整っているだけでなく、スタイリッシュな雰囲気や清潔感を持ち、全体的な魅力がある男性を指す。顔立ちだけでなく、ファッションセンスや振る舞い、雰囲気なども含めた「総合的な魅力」を評価する言葉だ。
似たような表現で、かつては「ハンサム」という言葉が使われていた。ハンサムは英語の「handsome」に由来し、整った顔立ちや古典的な美形を表す言葉だ。日本語でも広く使われているが、イケメンと比べるとフォーマルで落ち着いた印象を与える。
イケメンは現代日本の文化に根付いた言葉であり、日常生活のなかで多面的な魅力を評価する表現として使われている。一方、ハンサムは伝統的な美しさを表す言葉として、特定の状況で用いられることが多い。それぞれが持つニュアンスの違いが、時代や文化に応じた評価基準の変化を映し出している。
さて、そんなイケメン彼氏がオートマ限定免許しか持っていなかった場合、その事実が女性の評価にどのように影響するのかを考えてみよう。前述のソニー損保の調査結果を基にすると、男性のオートマ限定免許保有率は
「34.8%」
である一方、女性は46.4%に達している。女性が11.6ポイントも高い。このデータから、女性にとってオートマ限定は「普通」の選択肢であり、特に違和感を持たれることは少ない。しかし、男性にとっては「少し特殊」な選択肢として認識されることが多い。社会的な期待やステレオタイプが、この認識の差を生んでいるのだろう。ここで重要なのが、いわゆる
「イケメン補正」
の存在だ。仮にオートマ限定免許が「頼りなさ」の象徴と捉えられているとしても、イケメンという属性がその印象を大きく覆す力を持つ。外見の魅力や好印象が、免許の種類に対するネガティブな評価を帳消しにする可能性がある。この現象は、心理学でいう
「ハロー効果」
として説明できる。外見のよさが評価全体にプラスの影響を与える効果だ。つまり、イケメンであれば「オートマ限定でも構わない」という無意識の許容が、相手の中に形成されるのだろう。