伊予鉄道「ICい~カード」9月廃止の衝撃! 交通系ICカードと地域独自性の両立はどう考えるべきなのか?
JR東日本エリアで地域連携ICカードの導入が急増中。自治体主導で、地域特化型カードが地域経済を活性化させる「夢のカード」として期待されている。全国統一規格と地域性を両立させ、利用者に便利さと地域独自のサービスを提供する新たなキャッシュレスソリューションとして注目されている。
「ICい~カード」廃止の衝撃

交通系ICカードの普及によって、「地域ICカード」が廃止されるケースもあるようだ――。伊予鉄グループ(愛媛県松山市)の伊予鉄道と伊予鉄バスは、2025年3月から全路線で交通系ICカードによる乗車システムを導入する。これまでも松山市内の路面電車やリムジンバスなど一部で導入されていたが、郊外路線を含む全エリアでの展開に踏み切る形だ。
一方で、長年地域に根付いていた独自の交通カード「ICい~カード」は、同時期に廃止されることが決まった。このICい~カードは、モバイルSuicaに先駆けて日本のモバイル決済市場に登場した歴史的な存在であり、地方のキャッシュレス化をけん引してきた。しかし、全国規模で利用できる交通系ICカードとの競争に勝てず、その役目を終えることになる。
この動きは、該当地域のデジタルトランスフォーメーション(DX)にどのような影響を与えるのだろうか。全国共通の利便性向上というプラス面がある一方、地域独自のシステムを失うことが、地方のデジタル競争力や独自性にマイナスに働く可能性もある。今後の動向が注目される。