羽田に縛られない! 関空拠点の「ジェイキャス」本当に成功できるか? 地域航空への変わらぬ不信感が試練に

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地方間路線をターゲットに、ジェイキャスエアウェイズは効率的な小型機運行と安定運賃で市場に挑戦。しかし、鉄道と異なる収益構造や競争の激化、地域との信頼関係構築が成功のカギとなる。

規制緩和の影響と航空業界の変化

ジェイキャスエアウェイズのウェブサイト(画像:ジェイキャスエアウェイズ)
ジェイキャスエアウェイズのウェブサイト(画像:ジェイキャスエアウェイズ)

 1990年代以降、日本でも航空業界の規制緩和が進み、スカイマーク、エアドゥ、スカイネットアジア(現ソラシドエア)、スターフライヤーなど、多くの新しい航空会社が登場した。

 しかし、収益が見込まれる羽田空港などには厳しい発着枠制限があり、諸外国と比べて規制も依然として厳しい。また、かつて世界一高かった着陸料や、新幹線をはじめとする強力な代替交通手段といった日本独特の制約が影響し、多くの航空会社は大手航空会社の傘下に入り、系列会社となったり、消えていったりした。

 そんななか、関空を拠点に新たな航空ベンチャー企業「ジェイキャスエアウェイズ(以下、ジェイキャス)」が登場した。ジェイキャスは、まず小型機ATR72-600を使って関空から富山、米子への就航を目指し、その後は鉄道のように安定した料金体系で集客し、他の航空会社と差別化を図ろうとしている。

 果たして、ジェイキャスは成功するのだろうか。これまでの報道をもとに、考察してみたい。

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