小浜・京都ルートは「千年の愚行」 ついに仏教界の怒りも招いた北陸新幹線・大阪延伸問題! 年内詳細ルート決定断念、地下水問題で揺れる計画の行方とは
北陸新幹線の与党整備委員会は、小浜・京都ルートの年内詳細ルート決定を断念した。京都府と京都市が地下水などの環境への影響を懸念したためで、計画の進展が不透明となっている。
「掘ってみないとわからない」の声も

京都市内を通るトンネル工事は、深さ40mより深い大深度地下でシールド工法を取る。鉄道建設・運輸施設整備支援機構が地下水への影響を解析したところ、地下水位低下が予測されなかった。京都市がシールド工法で整備した市営地下鉄東西線の二条駅(中京区)~太秦天神川駅(右京区)間も、周辺井戸への影響がほとんどなかったとしている。しかし、専門家のなかには
「掘ってみないとわからない」
と指摘する声がある。岡山大学の西垣誠名誉教授は2020年、地下水学会誌に寄稿した「トンネル施工における地下水環境保全」で過去に湧水流量が多いと予測され、ルート調整した事例があることを報告している。
シールド工法は基本的に水を通さない構造で、地下水への影響が小さいとされるが、懸念を解消する説明ができるのだろうか。説明の仕方によっては反対住民らの反発を招き、混乱を助長することも考えられる。
このほか、京都府環境影響評価専門委員の試算で少なく見積もって10tダンプ160万台の880万立方メートルとされる残土処理、南丹市など山岳トンネル区間約80kgの残土に含まれる
「ヒ素」
など、住民の不安をかき立てる問題が残る。