関西本線「名古屋~伊賀上野」の直通列車! 観光と需要掘り起こしで再生なるか? 過去の栄光を取り戻す挑戦に迫る

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関西本線の一部区間が存続の危機にあるなか、年明けには名古屋~伊賀上野間を直通する列車が運行される。この実証運行は、危機を脱するために潜在需要を掘り起こし、観光客を呼び込む狙いがある。

難題山積も期待は訪日客

人口減少で将来が危ぶまれる笠置町内(画像:高田泰)
人口減少で将来が危ぶまれる笠置町内(画像:高田泰)

 亀山~加茂間の沿線自治体の人口は

・亀山市:約4万9000人
・伊賀市:約8万4000人
・南山城村:約2200人
・笠置町:約960人
・木津川市:約7万9000人

だ。人口10万人に満たない自治体ばかりで、ベッドタウンとして人気の木津川市を除けば、2010年に比べて人口が減少している。

なかでも笠置町と南山城村は民間有識者でつくる人口戦略会議から消滅の可能性があるとされた。南山城村は2010(平成22)年比で29.2%の減少。笠置町は2013年11月から1年半にわたって出生数ゼロを記録するなど、

「40.8%」

の大幅減となり、消滅の危機が差し迫る状況に陥っている。域内で掘り起こせる関西本線の需要には限りがある。

「世界の亀山」を掲げたシャープ亀山工場の亀山市進出で沿線が活気づくと期待されたこともあったが、わずか5年ほどでシャープの業績が悪化し、約3000人いた従業員が約1800人に削減された。亀山市は工場進出による人口増加がストップし、減少に転じている。沿線人口が増加に転じる要素は見当たらない。

 そこで、直通列車の運行により、訪日客ら観光客誘致を考えているわけだが、

「忍者以外の観光」

に大きな知名度はない。訪日客の周遊コースを考えても、直通列車の出発点となる名古屋市は訪日客の人気がそれほど高くない。伊賀地方から比較的近い京都市や奈良市へは加茂駅などで列車の乗り換えが必要だ。

 京都市の旅行代理店は

「京都市を訪れた訪日客の多くが奈良市へ足を運んでいる。京都市や奈良市とのアクセスを改善すれば、周遊コースとして期待できる可能性がある」

と見る。直通列車をきっかけに沿線がどんな手を打ってくるのか、地域の未来を左右する大切な時期が来ようとしている。

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