日本の港が直面する危機! AI活用で物流効率化と競争力強化が急務なワケ
日本の港湾が新たな進化を迎える。AIやIoTを駆使した「スマートポート」構想が進行中で、効率化と競争力強化を目指す。2030年に向け、物流の生産性向上や労働環境の改善、環境負荷軽減を実現し、国際物流競争における優位性を確立するための重要施策が動き出した。
「スマートポート」で挑む日本港湾の未来

日本の港湾は、国際物流を支える大事なインフラであり、国内産業の競争力を支える土台でもある。
しかし、最近は船がどんどん大型化したり、労働人口が減ったりして、港の運営にもさらなる効率化や競争力アップが求められている。
こうした課題に対応するため、国土交通省は
「スマートポート」
構想を進めて、港の効率化と競争力の強化を目指している。
99%を支える海運とデジタル化の必然
日本は資源が少なく、生活の基盤の多くを輸入に頼っているため、玄関口となる港湾の役割は非常に重要だ。実際、国際輸送の99%が海上輸送で、そのうちコンテナ貨物が約20%を占めている。
国土交通省は2018年、2030年頃を見据えて「港湾の中長期政策『PORT 2030』」を策定した。この政策は、
・経済や産業の発展
・生活の質の向上
を目的に、港湾が果たすべき役割や今後の港湾政策の方向性をまとめたものだ。そのなかのひとつに、情報通信技術を活用した港湾のスマート化・強靱(きょうじん)化が挙げられている。
前出のスマートポートとは、最新のデジタル技術を使って港湾の運営を高度化し、効率的で持続可能な物流システムを実現する取り組みだ。具体的には、
・IoT(モノのインターネット)
・ビッグデータ解析
・AI(人工知能)
を活用し、港湾内外の情報をリアルタイムで収集・分析・活用することで、物流の効率化や環境負荷の軽減、安全性の向上を目指している。
こうしたデジタル化は、世界の港湾で競争力を高めるために急速に進んでいる。例えば、シンガポールやロッテルダムなどの主要港湾ではスマートポート化が進んでおり、多くの国でデジタル技術の導入が活発だ。日本も国際的な競争力を維持するために、こうした取り組みを急ぐ必要がある。