最近、街なかで「社名入りの歩道橋」をよく見かけますが、なぜ増えているのでしょうか?

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日本初の歩道橋が完成してから約65年。老朽化や少子高齢化の影響で撤去されるケースが増えるなか、今、新たな維持管理策として注目されるのが「ネーミングライツ」だ。名古屋や大阪では、企業が支援することで施設の名前に自社名を冠し、地域貢献とPR効果を狙う取り組みが進行中。全国に1万基以上存在する歩道橋に、企業名が冠される未来が迫っている。

企業PR効果70%超

歩道橋の桁部分に企業名、商品名を入れた愛称を表示することができるネーミングライツ事業(画像:名古屋市)
歩道橋の桁部分に企業名、商品名を入れた愛称を表示することができるネーミングライツ事業(画像:名古屋市)

 歩道橋のネーミングライツは、多くの地方自治体で地域貢献やPR効果を生むものとして注目されている。愛知県一宮市の公式サイトによると、

「歩道橋は交通量が多い幹線道路に設けられているため、多くのドライバーに視認されます。日常的に近隣にお住まいの方の視界に入るため、地域におけるネーミングライツパートナー企業の存在感を高める効果が期待できます」

と記されている。また、「歩道橋は地域の高齢者や児童などの交通弱者を守るための大切な施設であることから地域に貢献する企業としてのイメージをアピールする効果が期待できます」と説明されている。

 全国初の試みとして大阪府が導入したネーミングライツでは、2010(平成22)年3月16日から24日にかけて大阪府内の10代から80代の1407人を対象にPR効果についてアンケート調査を実施。その結果、

・企業名などのPR効果が大いにあると思う:15%
・効果があると思う:56%

で、合計70%以上の人が「効果がある」と回答していた。

 また、ほとんどの自治体では、ネーミングライツパートナー企業が自社のウェブサイトや出版物にその旨を表示することが許可されており、これによって地元での企業の存在感を高める効果が期待されている。

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