コロナ禍でもフル稼働! 引く手あまたの「小型機」が今後も好調予想なワケ

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新型コロナウイルスの感染拡大で、小型機が活躍する理由を解説。小型プロペラ機は、消費燃料が少ない、CO2排出量が少なく、1000m規模の短い滑走路でも離着陸が可能だ。

今後の日本で活躍する可能性大

ATR機は世界中でシェアを拡大。ニュージーランド航空も導入(画像:シカマアキ)
ATR機は世界中でシェアを拡大。ニュージーランド航空も導入(画像:シカマアキ)

 新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いても、小型機の需要はますます増えるだろう。大型機で一度に大量輸送するより、小型機で何度かに分けて運航したほうがさまざまな面で効率がいい。航空会社にとっては燃費がよく、運航にかかる費用削減にもつながる。利用客も1日1便しかないより数便あるほうが利便性は大きい。

 ただ、小型プロペラ機にはデメリットもある。ATR42-600の場合、一度に飛べる距離(航続距離)が1326km、巡航速度は556km/hだ。エンブラエルのE170(76席)だと、航続距離は2600km、巡航速度は800km/hとなる。

 当然ながら、大中型機や小型ジェット機と比べると一度に飛べる距離は短い。巡航速度も遅く、同じ距離でも到着するのに時間がかかる。搭載できる貨物量も少ない。

そうは言っても、日本の国土は東西南北それぞれ3000km程度で、海に囲まれた島国であり、離島も多い。しかも、政治や経済の中心地である東京は日本のほぼ中央に位置する。そう考えると、北から南まで一気に飛ぶ需要は少なく、地方都市間や離島を結ぶ路線だと小型プロペラ機、または小型ジェット機で事足りることが多い。

しかも旅客数が数えるほどしかいない、ということもある離島路線では、貨物スペースが広い小型プロペラ機も導入されている。搭乗者数に合わせた、仕様の異なる小型機が、すでに全国で活躍中なのだ。

 ATRをはじめとした小型プロペラ機は日本だけでなく、海外にも多い。

 例えばATRだと、南太平洋の仏領ポリネシアのタヒチ航空、チェコ航空、ニュージーランド航空、フィンエアーグループ「Norra」などで活躍している。Q400も世界中で運航されている。いずれも陸上交通がない、または難しい近距離路線で活躍中だ。

 これからの時代、運航のみならず所有するだけでも費用がかかる大中型機より、コストパフォーマンスがいい小型機への機材更新がある程度のシェアまで進むことが考えられる。航続距離が長く、ビジネスやレジャーなど旅客需要が大きく見込める路線は大中型機、その他の短距離路線などは小型機といった具合に、そのすみ分けがよりいっそうはっきりするだろう。

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