コロナ禍でもフル稼働! 引く手あまたの「小型機」が今後も好調予想なワケ

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新型コロナウイルスの感染拡大で、小型機が活躍する理由を解説。小型プロペラ機は、消費燃料が少ない、CO2排出量が少なく、1000m規模の短い滑走路でも離着陸が可能だ。

「2-2」という座席配列

ATR機は荷物を機体前方に搭載し、旅客は後方から搭乗する(画像:シカマアキ)
ATR機は荷物を機体前方に搭載し、旅客は後方から搭乗する(画像:シカマアキ)

 人口が少ない離島路線、陸上交通と競合する路線などであれば、座席数が多い機体では座席が余り、搭乗率が低くなると赤字路線となって路線維持が難しくなる。

 また、機内の通路が1本のみ、「2-2」という座席配列は、人と人に挟まれる「真ん中」に座る心配がないという乗客側のメリットも。座席数が少ないと旅客の乗り降りにさほど時間がかからないので、その点もメリットと言える。

 日本および世界で活躍する小型機にもうひとつ、ボンバルディア「DHC8-Q400」(通称Q400)がある。カナダのボンバルディア・エアロスペース社によって製造された小型プロペラ機で、ANAグループの地方路線などで活躍する。

 座席数は74席で、JALグループのATRと比べるとやや大きい。この機体も、コロナ禍でも多く飛び続けていたほど需要がある。現在、ATRの競合機にあたる。

 さらに、JALグループのジェイエアやフジドリームエアラインズ(FDA)が運用するのが、ブラジルのエンブラエル社が製造する小型ジェット機。ATR機やQ400と比べるとやや大きめで、主に地方路線に就航する。

 FDAにはJALとのコードシェア便(2社以上の航空会社で共同運航している便)もある。JALグループ内で路線ごとに上手に機体サイズが使い分けされている印象を受ける。

航空会社・利用客に利便性が高い

JACのATR機内。プロペラ機と思えないほど広く感じる(画像:シカマアキ)
JACのATR機内。プロペラ機と思えないほど広く感じる(画像:シカマアキ)

 日本におけるATR機導入例は、熊本県の天草空港を拠点とする地域航空会社・天草エアラインが最初。2015年8月にATR42-600を受領(じゅりょう)し、2016年2月から定期便に就航した。

 ちなみに、天草エアラインの所有機材はこの1機のみ。天草観光で人気の「親子イルカ」が機体全体にデザインされており、愛称は「みぞか号」だ。天草-熊本-大阪(伊丹)、天草-福岡の路線ネットワークを持つ。

 その後、JALグループの日本エアコミューター(JAC)、北海道エアシステム(HAC)が次々とATR機を導入。使用年数を経た機材との入れ替えの際にATR機を選択した形だ。今後、長崎県内の離島などを結ぶ路線を運航するオリエンタルブリッジ(ORC)、新潟空港を拠点とする新規航空会社TOKI AIR(トキエア)も、ATR機の導入を予定する。

 実際、ATR機に乗ると、その乗り心地のよさが実感できる。他社のプロペラ機と比べて静か。機内も小型機の割に広く感じ、座席上の物入れには小型スーツケースを収納できる。ちなみに、Q400では標準サイズの小型スーツケースは収納できず、空港のカウンターで預ける必要がある。もQ400と比べると、プロペラの位置から機窓からの光景が楽しめる座席が多いのもいい。

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