外国人観光客が6年で45倍! 「城崎温泉」の成功に学ぶべき“おもてなし交通”の絶妙さ
城崎温泉から学ぶべきこと
駅から宿泊地までの交通手段というのは、インバウンドの成功を左右する大きな要因であると著者は考える。
著者は、海外で雨が降りしきるなか、駅やバス停からスーツケースをガラガラ引きながら、どこにホテルがあるかも分からずGoogle Mapを頼りにホテルを探した経験が何度かある。
このような大変な思いをしたところには、もう一度訪れたいという思いはどうしても湧きづらいものである、日本でも、1日に数本しかない路線バスに2時間以上乗らないとたどり着けない観光地へは、よほどの目的がない限り積極的に行こうとは思わない。日本に来る外国人も同様であろう。
コロナ禍の収束後、インバウンド集客で再活性化を図ろうと考える地域は、DMO発足やデータ解析も重要だが、まずは駅から宿泊地までの交通手段の利便性を改善すべきではないか。
もちろん、それぞれ地域により事情も異なり、城崎温泉のような無料の乗り合いバスの導入が難しい地域もあるだろう。各地域の特色を活かした交通手段を検討すべきた。
たとえば、埼玉県秩父市ではDMO「秩父地域おもてなし観光公社」を設立し、城崎温泉と同じようにデータ解析に力を入れているが、秩父市ではバスではなく「らくとくタクシー」という定額プランを取り入れ、駅からの利便性を図っている。
このようにインバウンドで地方創生を図りたい地域は、個々の特色を生かした方法で駅から宿泊地までの送迎手段を今一度再考すべきであろう。
城崎温泉がインバウンド集客に成功したのは、外湯や小さな旅館という“今ある資源”を存分に生かして、町全体をデザインしたためである。無料の乗り合いバスの導入もその一つだと思われる。
重要なのは、官民が協力し合い、個々の利益だけでなく「町全体で成功しよう」という思いであると著者は考える。