外国人観光客が6年で45倍! 「城崎温泉」の成功に学ぶべき“おもてなし交通”の絶妙さ

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インバウンド集客で目覚ましい成功を収めた兵庫・城崎温泉。来街者のデータ分析や官民連携組織の立ち上げもさることながら、実際に訪れて感じたのは「交通利便性」という行き届いた“おもてなし”だった。

交通利便性の持つ重要さ

城崎の町並み(画像:写真AC)
城崎の町並み(画像:写真AC)

 ここからは、著者が実際に城崎温泉へ行って感じたことを含め、交通の利便性について解説する。

 2019年の夏、著者は城崎温泉を訪ねた。その際とにかく驚いたのが、大阪駅からの接続がスムーズだったことだ。

 大阪駅から「特急こうのとり」に乗車すると、英語でアナウンスが流れる。JR城崎温泉駅に着くと、駅で英語ができる駅員が出迎えてくれ、駅前に停まっている無料バスに誘導してくれた。

 駅員は外国人からの質問に、にこやかに流暢(りゅうちょう)な英語で答えていた。無料バスがいっぱいになるとバスは出発し、なんと各自が泊まる予定の旅館の入り口で乗客を降ろしてくれた。

 つまり、日本語が一切分からなくても、大阪駅から城崎温泉の宿泊予定地までストレスなく行くことができるのだ。大阪・京都市内のホテルや旅館に泊まるよりも、かえって楽なのではないかと思ったほどだった。

 駅から旅館街まではもちろん徒歩でも行くことが可能ではあるが、外国人観光客の場合、大きなスーツケースを持っていることが多い。スーツケースをガラガラ転がしながら歩くのは非常に大変だ。そのためこのように、旅館の入り口まで運んでくれる乗り合いの無料バスはとても便利だと感心した。

 多くの場合、各旅館・ホテルが自分たちの宿泊客のためだけの送迎を行っており、どの旅館に泊まっても無料で送迎してくれる乗り合いバスを提供している観光地は少ない。

「自分たちの旅館だけ」「隣の旅館はライバル」ではなく、城崎温泉の関係者が一致団結して「町全体みんなで城崎温泉を盛り上げよう」としている気持ちがバスの送迎の仕組みから伝わってきた。

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