路線バス「シートベルト義務化」にすべき? 死亡率大幅低下も、立ちはだかる「短距離移動」という辛らつ現実
路線バスのシートベルト義務化に関する議論が活発になっている。法的には装着が義務づけられていないが、シートベルトを着用していない場合の死亡率は約3.5倍も高く、利用者の安全意識を高める必要があることが指摘されている。特に観光地ではシートベルトの導入に対する理解が得やすく、ドライバーの負担を軽減し、事故時の責任も減らす可能性がある。今後は、シートベルトを公共交通の安全ツールとして再考することが求められている。
バスのシートベルト事情

皆さん、高速道路や自動車専用道を走るバスには、「原則」としてシートベルトが装着されていることに気づいていると思う。原則と書いたのは、福岡の都市高速のように、時速60km以下で走り、ABSが装着された路線バスではシートベルトがなくても立ち客を乗せて運行できるからだ。横浜市内でも同様のケースが見られるが、これは基本的には少数派だ。
一般路線バスは、高速道路や自動車専用道を走ることが基本的にない。そのため、シートベルトがなく、立ち客も許可されている。
・乗車と降車が頻繁に行われること
・立ち席定員が必要なこと
・車両の導入コストを抑えたいという意向
などを総合的に考慮して、シートベルトを取り付けていない。これには法的な根拠もある。
「道路運送車両の保安基準第二十二条の三」では、専ら乗用のために使われる自動車で、乗車定員が十人以上のもの(高速道路などで運行しないものに限る)には、運転席とその隣の席にシートベルトを装備することが求められている。つまり、乗客用の座席にはシートベルトを装備する必要がないという法的解釈ができる。