高速バス「フルフラット化」は本当に安全か? 新ガイドライン11月頃策定も、中国では寝台バス廃止 その理由とは

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国土交通省は深夜高速バスのフルフラット化に向け、安全対策のガイドラインを11月に策定予定。しかし中国では寝台バスが廃止された例も。

安全基準を11月頃策定

深夜高速バスのイメージ(画像:写真AC)
深夜高速バスのイメージ(画像:写真AC)

 国土交通省は、深夜運行する高速バスのフルフラットシートの安全対策について検討すると発表した。運行の安全対策をまとめ、11月頃にガイドラインとして策定することで、フルフラットシート高速バスの普及促進を目指す。

 高速バスは長距離移動の手段として重要な位置を占めており、新幹線など鉄道や飛行機と肩を並べる存在だ。その他の移動手段に比べて価格が安価という大きなメリットがあり、移動時間は長めだが、飛行機や新幹線の半分以下の費用で移動できる場合もある。寝台特急がほぼ廃止された現在では唯一の深夜便といってもよいだろう。

 乗客はバスのリクライニングシートで寝るのだが、このようなバスに乗ったことがある人なら経験したことがあるだろうが、まともに寝られない。ほとんどの高速バスの座席は約135度までしかリクライニングしないため、乗客は中途半端な姿勢で横にならざるを得ない。一夜を過ごし、目的地に到着したときには疲労困憊(こんぱい)している。

 高速バスで寝た経験のある人は、なぜフルフラットがないのか不思議に思ったに違いないが、実は走行中の車内でフルフラットで寝ることにはさまざまな危険がともなうため、現状では座席としての機能が優先されている。

 国土交通省が策定するガイドラインでは、こうした危険に対する安全対策が示される予定で、ようやくフルフラット化の実現に向けた第1歩を踏み出すことができそうだ。

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