EVは本当に経済的? 車体価格がとても高額ですが、補助金だけで大丈夫なのでしょうか?

キーワード :
, ,
ホンダが軽四輪EV「N-VAN e:」を発表した。ガソリン車との価格差は約119万円で、補助金を活用すると5年間で約35万円のコスト削減が可能だ。環境に配慮した設計や低いランニングコストが魅力だが、航続距離や充電インフラに関する課題もある。今後、EVの経済性が向上することが期待されている。

5年の節約額「35万円」

EVとガソリン車の比較(画像:ホンダのウェブサイトに掲載された情報に基づいて筆者作成)
EVとガソリン車の比較(画像:ホンダのウェブサイトに掲載された情報に基づいて筆者作成)

 燃料費についても考える。N-VAN e:は1回の充電で走行できる距離(WLTCモード)が245Kmで、ガソリン車のカタログ燃費(WLTCモード)は19.2Km/Lである。245Kmを走行するために必要なガソリンは12.76リッターで、全国平均のガソリン価格175円/Lで計算すると、ガソリン代は2233円になる。

 一方、N-VAN e:のケーブル充電による満充電時間は4.5時間(出力6kW)で、電力量に換算すると27kWになる。ホンダのウェブサイトによると、ENEOSでんきプランの電気料金は、ベーシックタイムで約956円、深夜料金では約752円となっている(基本料金は10A/1kVAあたり約312円)。

 外出先で充電が必要な場合、ホンダカーズが全国で提供している充電サービス「e-Mobility Power」を利用できる。普通充電(出力6kW)の場合、満充電までの時間は約4.5時間、急速充電(出力50kW)では約30分だ。利用料金は、普通充電で約1040円、急速充電では約825円となるが、月会費は普通充電で1540円、急速・普通併用の場合は4180円が必要となる。

 仮に1か月の走行距離を980Kmとすると、ガソリン代は8932円に対し、敷地内での充電では3008円(深夜料金)となり、かなりのコスト削減が見込まれる。1年で約7万円、5年で約35万円の節約になる。特に、宅配業などのビジネスユースでEVを長期間使用すれば、総費用を抑えられ、経済的なメリットが大きくなる。また、ガソリンスタンドが近くにない場所では、利便性も向上する。

 メンテナンス費用について一般的にEVはガソリン車よりも車重が重いため、タイヤの摩耗が早いといわれている。しかし、EVはオイル交換が不要で、車検費用を抑えられる可能性がある。EVの自動車保険は、車体価格が高いために車両保険料が高くなることがあるが、EV割引などによって保険料を低く抑えられる可能性もある。

 また、バッテリー交換が高額になる懸念もあるが、ホンダは8年間または走行距離16万kmまで、バッテリーの電池容量(蓄電能力)の70%を保証しているので、あまり心配しなくてもよさそうだ。

全てのコメントを見る