ガソリンスタンド存続の鍵! 「地下タンク」問題を解決する4つの方法をご存じか

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ガソリンスタンドの減少が進むなか、老朽化した地下タンクの問題が深刻化している。改修費用や人手不足が影響し、存続が危ぶまれる。行政支援や革新技術の導入、地域連携が求められ、スマートタンクの導入が新たな解決策として期待されている。

消防法改正の影響

ガソリンスタンドの仕組み(画像:静岡県石油商業組合)
ガソリンスタンドの仕組み(画像:静岡県石油商業組合)

 2005(平成17)年頃から、消防法で定められた石油などの危険物を一定量以上扱う施設で、危険物の流出事故が増え始め、その後さらに増える可能性が問題視されるようになった。総務省のデータによると、2008年には危険物流出の件数が386件に達し、そのうち約2割が地下貯蔵タンクの腐食や劣化によるものだった。

 総務省の「地下貯蔵タンクの流出事故防止対策」に関する報告書(消防庁予防課危険物保安室、2010年2月8日)では、地下貯蔵タンク等からの危険物の流出は構造上発見が遅れやすく、その結果、被害が拡大する可能性が高いと指摘されている。

 2011年の消防法改正では、「腐食のおそれが特に高いタンク」(設置から50年以上で板厚が8mm未満、モルタルによる外部保護がされているもの)に対し、

・内面ライニング(金属基材内に樹脂原料を投入しながら化学物質や腐食からタンクを保護し、タンクの品質を維持する方法)
・電気防食

のいずれかの処置を義務付けた。また、「腐食の恐れが高いもの」(設置から40年以上50年未満で板厚が4.5mm以上、アスファルトで外部保護がされているもの)には、

・内面ライニング
・電気防食
・危険物漏れを検知する監視モニター設置

のいずれかが必要とされた。

 これにより、改修費用が大きくかかり、タンクの老朽化具合によっては更新が避けられない状況となった。この消防法改正は、ガソリンスタンドの財務状況をさらに厳しくしている。

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