犬猿の仲だった「東名」「中央道」が、すっかり仲良しになった根本理由

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東名と中央道は、東京を起点に約6km離れた位置から始まり、互いに深い関係を築いてきた。戦後の高速道路建設において対立から妥協し、2000年代以降は新たな路線が誕生し、アクセスが向上。東京外環道や三遠南信道路の開通でさらなる関係強化が期待される。

便利さ増す新たな迂回路

東名と中央道を結ぶ路線のひとつ。中部横断自動車道(画像:都野塚也)
東名と中央道を結ぶ路線のひとつ。中部横断自動車道(画像:都野塚也)

 2000年代に入ると、全国の高速道路ネットワークが急速に発展した。そして、東名と中央道を直接結ぶ高速道路の路線がいくつか新たに誕生した。具体的には、次の路線が挙げられる。

・圏央道
・御殿場バイパス~須走道路~東富士五湖道路~中央道支線
・中部横断自動車道南側部分(中部横断道)
・東海環状自動車道(東海環状道)

これにより、従来は一般道での移動が主流だった両路線間が、高速道路でスムーズに移動できるようになった。

 その結果、例えば東名ユーザーが山梨県や長野県の中央道沿道を訪れたり、中央道ユーザーが神奈川県や静岡県の東名沿道に行ったりする機会が圧倒的に増えた。私も運転中に、東名で山梨県や長野県のナンバーを、中央道で神奈川県や静岡県のナンバーを見る機会が増えた。

 また、どちらの路線でも渋滞や通行止めなどの交通規制があった場合、容易に迂回ルートを利用できるようになった。例えば、2019年10月には大型台風の影響で中央道の八王子JCT(東京都八王子市)から大月JCT(山梨県大月市)が約1週間通行止めになった際、私は中央道から圏央道、東名、御殿場バイパス、須走道路、東富士五湖道路、中央道支線を経由して迂回した。

 このように、他の路線を利用しながら東名と中央道を行き来することが可能になり、両路線は他の路線の影響を受けながらも強い関係性で結ばれている。

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