コストコ大渋滞問題が暴露した「コミュニティーバス」の厳しい現実! 大商業施設オープンの交通計画に潜む盲点とは?
沖縄県南城市のコストコ開店にともなう渋滞で、コミュニティーバスの運行が通常75分から10時間に延長。高齢者を中心に月1万5325人が利用し、影響は広がる。地域計画と交通インフラの連携強化が急務。柔軟な路線計画が持続可能な交通の鍵となる。
コミバスの現状と課題

コミバスの主な目的は、“地域の足”を守ることだ。これは、路線を計画・運行する地方自治体が
「税金」
を投入しているからだ。税金を支払ってきた生活者のために、バスはしっかりと機能する必要がある。
一方で、南城市のコストコのような商業施設や学校、観光施設は地域発展にとっても必要だ。大切なのは、これらの地域環境の変化に柔軟に対応することである。筆者(西山敏樹、都市工学者)は地方自治体から依頼を受け、コミバスの路線計画の委員を務めて、地域の変化に応じた
・柔軟な路線の再編
・運行ルートの新陳代謝
を大切にして活動してきた。
コミバスが導入されて約30年がたつが、運行と維持には多くの課題が残っている。2024年問題など、バス事業に影響を及ぼす要因も多い。委託されたバス運行事業者のドライバー確保や運行管理に関する懸念もある。特に地方部ではドライバー不足が深刻化しており、委託契約を打ち切る事業者も出てきている。このように、コミバスの運行はさまざまな複雑な要因に直面している。
地域環境の変化に対応するためには、市町村の地域公共交通活性化協議会を中心に、
・自治体
・バス事業者
・地域住民の代表
・学識経験者
などが協力して柔軟な運行計画を立案することが重要だ。単に路線を引くだけではなく、それを柔軟に変えていく姿勢が求められている。このような現状は、コミバスが地域の「ラストワンマイル」を担う上で大きな障がいとなる。早めに地域全体で手を打つ計画が重要なのだ。