高学歴女性ほど「交通違反」が多いってマジ? フランス「1700人調査」衝撃の結果から考える
フランスの交通事故と運転免許
フランスの交通事故による死亡者は、男性が多い。
2020年は2541人のうち78.3%が男性であり、うち91%が飲酒運転者だった。欧州の国々は、飲酒運転の違反の基準がゆるく、少々の飲酒で運転することが珍しくない傾向にあるという、日本との文化的違いがある。
近年は、フランスの女性ドライバーの違反、危険行動が増えているという。2010年から2019年にかけての、運転免許の減点率は、男性19.3%のころ、女性39.4%であった。この期間、免許取り消しは男性28.8%減少で、女性は24.3%増加でもあった。
また飲酒運転で逮捕されたドライバーのうち、2000年には女性は全体の6%だったのが、2018年には11.7%に上がっている。
フランスの運転免許は、ベテラン運転手の場合は12点が加算され、そこから違反で減点されていくシステムだが、自主的に2日間の更生プログラムに参加すると最大4点を回復できる。重大な違反をした人や3点減点の若いドライバーは義務付けられることもある。
2019年は、約38万人がこのプログラムに参加した。女性の違反者が増えたので、女性の更生プログラム参加者も増えてきた。
そこでフランスの研究者たちが、ドライバー更生プログラムに参加する男女の運転行動、心理的資源、脆弱(ぜいじゃく)性を調査した(『Accident Analysis&Prevention』2024年1月号)。
論文は、2019年の4月から8月にかけ、18歳から87歳までの1686人の違反者(男性1308人、女性378人(22.4%)、平均年齢と運転経験は男女で差がない)がフランス国内七つの地域で行われた110の更生プログラムの過程でアンケートに回答したものをベースに分析されている。
過去3年間の減点は、男性よりも女性の方が少なかった。違反内容での男女差については、女性は赤信号無視が多く、男性は制限速度の時速20km以上超過、白線越え、飲酒運転が多かった。さらには、男性は運転免許の停止や失格の頻度が高く、無免許運転も多かった。
以上を踏まえ、女性の違反者の性格や環境についての特徴を見てみたい。