ホンダ「充電できる燃料電池車」は、従来の安直な“FCV批判”を克服できるか?
ホンダが新型FCV「CR-V e:FCEV」を発表。水素ステーションが157か所と少ないなか、充電機能を追加し実用性向上。EVの充電ステーションも利用可能で、長距離走行の課題を克服。リース販売で企業や一般ユーザーにも対応。
FCVに充電機能追加

ホンダは2024年7月19日、新型の燃料電池車(FCV)「CR-V e:FCEV」を発表した。このモデルは従来のFCVにはない充電機能を搭載しており、大きな注目を集めている。
FCVは電気自動車(EV)と並ぶ環境対応車で、燃料電池を使って車内で電気を生成し、その電気でモーターを駆動する。燃料電池は水素(H2)と空気中の酸素(O2)を化学反応させて電気を発生。生成されるのは水(H2O)のみで、二酸化炭素(CO2)は一切排出されない。
そのため、FCVは“究極のエコカー”のひとつとされ、将来的には内燃機関車の代替が期待されている。しかし、現状ではいくつかの課題がある。ホンダは2021年に1度FCV分野から撤退したこともある。
主な課題は、
「水素の補充が不安定」
なことだ。現在、水素ステーションは全国に約157か所しかなく(2024年6月1日時点)、ガソリンスタンドの普及率とは比較にならないくらい大きな差がある。このため、長距離移動が難しく、また都市圏近郊に集中して設置されているため、スムーズに使うにはステーションの近くに住まなければならない。
ホンダはこのような課題に対応するため、「CR-V e:FCEV」に新しい提案をしている。FCVにプラグインハイブリッド車(PHV)のような充電機能を追加し、水素供給の不安定さや航続距離の問題に対処している。