紅海ルート遮断で日本の大手海運会社に大打撃 ハマス「ハニヤ氏殺害」はどのような影響を与えるのか?
イスラエル・イランの直接衝突リスク

先に結論となるが、2023年10月以降の中東紛争は時間の経過とともに紛争の当事者が増え、紛争は拡大傾向にあり、長期化が避けられない状況といえよう。
紛争の発生当初、それはイスラエルとパレスチナ自治区という極めて局地的な紛争の様相を呈していたが、レバノンやイエメン、シリアやイラクを拠点とする親イランのシーア派武装勢力が紛争に加担するにつれ、その影響は
「中東全体」
に及ぼうとしている。
最近でも、イスラエルとレバノン南部を拠点とする親イランのシーア派武装勢力ヒズボラとの間で軍事的応酬が続くなか、イスラエルは7月30日、レバノンの首都ベイルート南郊を空爆し、ヒズボラの最高幹部フアド・シュルク氏を殺害した。
これについて、イスラエル軍は7月27日にイスラエルが占領するゴラン高原でロケット砲による攻撃が発生し、子どもなど12人が殺害されたことへの報復と発表し、この攻撃は死亡した最高幹部フアド・シュルク氏が指揮したと主張している。
また、ハマスは7月31日、イランのライシ前大統領の事故死によって新たに選出されたペゼシュキアン新大統領の就任式へ出席するため、テヘランを訪問していたハマスの最高幹部イスマイル・ハニヤ氏がイスラエルによる攻撃で殺害されたと発表した。
ハニヤ氏はテヘラン市内にある建物に滞在していたが、イランの革命防衛隊はこれについて7kgほどの弾薬が付いた短距離飛翔体が使用され、建物に衝突して大きな爆発が起こったとし、殺害は極めて計画的で、イスラエルへの報復措置を示唆した。
4月1日、シリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館領事部の建物にイスラエルが発射したミサイルが着弾し、イラン革命防衛隊の司令官や軍事顧問ら13人が死亡したことへの報復として、イランは初のイスラエルへの直接攻撃に踏み切った。
これはイスラエルをけん制する政治的なパフォーマンスとしての意味合いが強かったが、今後
「イスラエルとイランの直接衝突」
の現実的リスクが高まり、中東の安全保障がさらに緊迫化していくことが懸念される。