北陸新幹線・大阪延伸で「交野市」の地下水がピンチ? トンネル工事で守れるか市民の水源、市から「鉄道・運輸機構は耳を傾けて」の悲痛声

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北陸新幹線の大阪までの延伸にともない、大阪府交野市は、工事を担当する鉄道建設・運輸施設整備支援機構に地下水調査を要請した。市の水道水の8割を占める地下水が枯渇する恐れがあるためだ。

岐阜や長野、山梨で水枯れが発生

鉄道建設・運輸施設整備支援機構本社が入居する横浜アイランドタワー(左)(画像:写真AC)
鉄道建設・運輸施設整備支援機構本社が入居する横浜アイランドタワー(左)(画像:写真AC)

 国交省は大深度地下の地下水がほとんど流動しないとし、構造物を整備しても影響が少ないと見ているが、地下環境は未知のことが多く、実際に掘ってみないとわからない部分がある。

 リニア中央新幹線関連の工事では、2008(平成20)年から2013年に実施された山梨リニア実験線の延伸工事で山梨県上野原、大月、笛吹3市の計4地域で簡易水道の水源となる沢の水が枯れたのをはじめ、川や井戸の水位が低下した。

 本線のトンネル掘削工事が進む岐阜県瑞浪市では2024年春、60世帯ほどが集まる大湫(おおくて)地区の少なくとも14か所で井戸やため池の水位低下が明らかになった。住民の飲料水に使用されていた共同水源3か所も含まれ、JR東海が工事を中止して代替井戸を掘削する事態に発展している。

 長野県でも2022年以降、大鹿、豊丘両村のトンネル工事現場周辺で井戸の水位低下や沢の水量減少が報告された。JR東海の丹羽俊介社長は5月の記者会見で

「生活に支障をきたさぬよう応急措置を施し、必要な場合は恒久対策を実施する手順を定めている」

と述べたが、沿線住民の不安は解消できていない。

 京都府では南丹市や京都市の住民、企業が北陸新幹線の地下通過による水枯れの不安を訴え、延伸工事着手のめどが立っていない。水道水の8割を地下水に依存する交野市で水枯れが発生すれば、

「より深刻な影響」

が出る可能性を否定できない。日本自然保護協会の若松伸彦保護チーム室長は

「交野市でも影響が出る恐れはある。鉄道・運輸機構が事業を円滑に進めたいのであれば、住民や自治体の不安を解消するために調査を進める必要がある」

と提言している。

 リニア中央新幹線で静岡県の川勝平太前知事が水枯れの問題を取り上げ、工事入りを認めなかった際、推進派から

「静岡のわがまま」
「知事のいいがかり」

と批判する声が相次いだが、トンネル工事による水枯れは各地で現実の問題になっている。混迷が続く北陸新幹線大阪延伸にまたひとつ難題が浮上した。

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