農業や鉄道に「落雷」がおよぼす深刻被害 ICT社会に欠かせない現代型「避雷針」の仕組みとは

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情報通信技術が高まるとともに、電気への依存度も増す現代社会。あらゆるインフラにおいて「落雷対策」は避けて通れない。

農業が抱える「落雷リスク」とは

落雷(画像:写真AC)
落雷(画像:写真AC)

 担い手の減少・高齢化により労働不足が深刻化する農業分野において、ロボット技術やAI、IoTなど先端技術を活用して省力化・高品質生産を目指す「スマート農業」が課題解決策として注目されている。一方、大きなリスクの一つとなるのがさまざまな自然災害の中でも身近に発生する「落雷」だ。

 自然環境に依存せず農業に適切な環境を人工的に作り出す技術には、電気が必要不可欠となる。栽培のための施設や設備に落雷があれば、収穫前の作物を廃棄せざるを得ない恐れもある。

 スマート農業での落雷被害は、機械に組み込まれている半導体の破損などによる自動操舵装置の制御不能、電源装置の故障によるデータ破損、ネットワーク不通による不具合など、多岐にわたり想定される。また農業に限らず、鉄道や発電所など現代のあらゆる社会インフラは、落雷のリスクと隣り合わせになると言える。

鉄道、発電所などにも設置の実績

 落雷抑制装置の開発・製造・販売を行う落雷抑制システムズ(横浜市)が展開しているのが、落雷を抑制する避雷針「PDCE(ピーディーシーイー)」。プラス電荷とマイナス電荷をコントロールすることにより、下から上に発生する「お迎え放電」の発生を抑制することで、雷を落ちにくくする仕組みだ。

 落雷を誘う従来の避雷針は、うまく避雷針に落雷したとしても、雷の持つ電圧が大きいため電流の一部が地表や建物内に侵入し、電化機器に悪影響を与えてしまう恐れがあった。同社のPDCEは落雷を回避する仕組みを採ることでこの懸念を回避している。

 2021年12月末時点で、大手私鉄、日産スタジアム(横浜総合国際競技場)、牛久大仏(茨城県)、発電所、化学工場など計3100基以上の設置実績があり、今後さらなる設置拡大が見込まれている。