「米国に従属するな」「立ち上がれ日本人」 来日したマレーシア元首相が“日本経済の復権”に大きく期待するワケ【連載】方法としてのアジアンモビリティ(12)

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中国とASEANの経済的結びつきが深まるなか、マレーシアのマハティール元首相は、日本にアジアでリーダーシップを発揮するよう呼びかけた。彼の言葉は日本の産業界がアジアに貢献する道を積極的に模索する必要性を示唆している。

「日本人よ、いまこそ立ち上がれ」

2003年に発表された、マハティール・モハマド『立ち上がれ日本人』(画像:新潮社)
2003年に発表された、マハティール・モハマド『立ち上がれ日本人』(画像:新潮社)

 筆者が2015年6月に行ったインタビューでは、同氏は次のように語っていた。

「ドイツと日本とを比較してみましょう。いまドイツは、ヨーロッパでも世界でも大きな役割を果たしています。しかし、日本は米国に従属しています。日本には主体的な政策がありません。経営システムですら、米国のまねをするようになってしまいました。かつて日本には終身雇用もありました。ところがいま、日本には独自の政策がありません」

 すでに同氏は2003(平成15)年に著した『立ち上がれ日本人』(新潮社)においても、日本独自の経済システムの重要性や、アジアにおける日本のリーダーシップの重要性を強調し、

「日本に立ち止まっている時間はない。日本人よ、いまこそ立ち上がれ」

と訴えている。

 日本人はマハティール氏の声に耳を傾け、日本の産業界が主体的な立場でアジアに貢献することを心掛ける必要があるのかもしれない。

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