2030年代開業 「有楽町線」「南北線」の延伸は本当に東京を変えられるのだろうか?
東京都が2030年代半ばに計画する有楽町線と南北線の延伸は、都市の構造を根本から変える。豊洲~住吉間では移動時間が55%減の9分に短縮、新駅も誕生。品川~白金高輪延伸は国際ターミナルとしての品川駅を強化し、東京の国際競争力を高める。
都心再編の一歩
東京都が、有楽町線豊洲~住吉間と南北線品川~白金高輪間の延伸について、6月に都市計画を決定する。前者は約5.2km、後者は約2.8kmだ。両線は2030年代半ばに開業予定だ。東京の都市構造は大きく変わるが、それは将来にどう影響を与えるのだろうか。
有楽町線の延伸は、臨海副都心から東京東部の拠点開発を加速し、江東区の新たな地域拠点と国際競争拠点とを結ぶことで、地域の活性化と国際化の両立を図ることが期待できる。その前提である具体的な効果、すなわち
「延伸による時間短縮効果」
は見逃せない。東京メトロの試算では、有楽町線の延伸によって豊洲~住吉間の移動時間が20分から55%減の「9分」に短縮されるとしている。この劇的な速達性の向上により、
・都心部
・臨海副都心
・江東区東部
の連携強化が飛躍的に進む。東京の新しい時代の幕開けを告げる、歴史的な一歩となるかもしれない。また、延伸区間には新たに
・枝川
・東陽町
・千石
の3駅が設置される予定だ。これにより、現在は鉄道アクセスが不便な地域でも、鉄道の利便性が格段に向上することになる
新駅の誕生は沿線地域に新たな活力をもたらす。近年、東京東部、特に臨海副都心周辺では再開発や人口増加が進んでいる。2023年の人口増加率を見ると、江東区は23区のなかで最も高い1.32%を記録した一方、大田区は0.04%、世田谷区は0.08%の減少となった。これは、東京東部の今後の発展の可能性を示唆している。