新車が全然買えないからといって、ディーラーの「抽選販売」はアリなのか? 「お得意様が買えない」と嘆く営業マンの声
現在、一部の車両は購入できるユーザーを限定する「抽選販売方式」で販売されている。販売の最前線に立つディーラーは、このことをどう感じているのだろうか。
悪質転売ユーザー増加

台数限定の限定車だけでなく、世界的に需要の高いクルマや、高性能ゆえに月産台数が限られているクルマは、半導体不足も相まって品薄になっている。
中古車市場を見ると、そうしたクルマは新車価格を上回る価格で取引されている。以前もそうだったが、こうした入手困難車を転売目的で購入し、納車後すぐに中古車市場で売却する
「悪質なユーザー」
も増えている。その結果、「本当にクルマが欲しい人」がクルマを買えなくなっているのだ。そのため、新車販売時に「納車後一定期間(多くは1年間と聞く)転売しない」という誓約書にサインを求めるディーラーも増えてきた。前述した元同僚にこのことを尋ねると、
「この誓約書には法的拘束力がないから……」
という答えが返ってきた。
さらに、転売防止のため、現金購入を希望する顧客に対しても、車検証の所有者欄に販売店を記載する「所有権留保」を求めるディーラーもある。残債もないのに所有できないのだから、ユーザーからすれば不満に違いない。それだけ自動車業界が変わったということである。
抽選制と優越感

一部の新車の抽選販売方式は、ユーザーにどのような気持ちを抱かせるのだろうか。
第一のメリットは、そのクルマを購入できれば、希少なクルマに乗れるという
「優越感」
だろう。また、先着順だと不公平感があるかもしれないが、抽選なら購入希望者が横一列に並ぶので公平感がある。
しかし、本当に欲しい人が買えないというデメリットがあることは否定できない。仮に抽選で商談権が当たったとしても、メーカーの生産台数には限りがあるため、納車までにどれだけの時間がかかるかわからない。
契約書にサインし、手付金の一部を支払った後、どれくらい待たなければならないかもわからない。忘れかけた頃に納車ということもあり得る。