小湊・いすみ鉄道が「五井~大原」の直通列車を運行しない理由 房総横断の夢いかに
小湊鉄道といすみ鉄道が運行する路線は千葉県の房総半島を横断しており、「房総横断鉄道」という名称で観光キャンペーンが行われている。しかし、相互乗り入れはしていない。なぜなのか。
DMV導入と養老渓谷の観光戦略

ただ、房総横断鉄道への思いは失われていなかった。2004(平成16)年、
・両鉄道会社
・沿線自治体
・JR東日本
・学識経験者
で構成された「房総横断鉄道活性化プログラム推進委員会」が新たな提言を行った。それは、鉄道の直通運転に加え、道路とレールの両方を走行できる
「デュアル・モード・ビークル(DMV)」
の導入だった。この提言は、沿線の観光名所である
「養老渓谷(大多喜町)」
に焦点を当てたものだった。小湊鉄道の養老渓谷駅から渓谷までの実距離は約2kmで、DMVが導入されれば乗り換えなしで渓谷まで行けるようになる。直通運転によって乗客の利便性を向上させ、利用客を増やそうというものだった。
しかし、これも実現には至らなかった。直通運転のためのインフラ整備にコストがかかることに加え、DMVの定員が少なく、通勤通学客の輸送を確保できなかったからだ。
以来、直行便の実現に向けた具体的な提案はなされていない。