「トラックドライバー = かわいそう」という欺瞞! 荷主&メディアの餌食にされるのは、いつも現場労働者である

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「トラックドライバーがかわいそう」をアピールするのは、もう止めにしないか。「かわいそう」は注目・関心を集める動機付けにはなっても、いずれ物流業界の、そして物流クライシス対策の足かせになる。

今「物流クライシス」が必要な理由

物流トラック(画像:写真AC)
物流トラック(画像:写真AC)

 現在、日本社会が直面している2024年問題を筆頭とする物流クライシスの原因のひとつは、

「消費者のわがまま」

である。消費者の「もっとこうしてほしい」を実現するための手間や苦労を、メーカー・商社・小売りなどの荷主は、トラックドライバーや運送会社、倉庫会社が押し付けてきた。結果、ドライバーは

「2割長くて、2割安い」(全産業の平均労働時間よりも2割長時間労働で、収入は2割安い」

という状況に陥った。この境遇をより多くの人に知ってもらうために、「ドライバーはかわいそう」という訴え(≒ニュース)が、大きな効果を発揮したのは確かだろう。

 だが、ドライバーが健全な収入を得ることができるようになり、健全な労働環境で働くことができるようになったとしたら、消費者は、「ドライバーがかわいそうだから」とは思わなく……というよりも「思えなく」なる。つまり、物流クライシスによって生じる痛みを受け入れる理由がなくなってしまう。

 繰り返しになるが、むしろ「ドライバーって今は稼いでいるんだろう。だったらもっとちゃんと働けよ」と逆風が吹き始め、結果的に以前のような過重労働をドライバーであり運送会社に対し、強いる風潮が復活することを、筆者は懸念する。

 ドライバーの待遇を改善し健全化するのは……もっといえば、今、物流クライシスによって生じる痛みに耐えなければならないのは、持続可能な日本社会を作るためだ。私たちの子どもや孫の世代に、健全な日本社会を引き継いでいくために、物流クライシスの痛みに耐えることが必要なのだ。

「物流は産業の血液」と呼ばれる。物流が滞れば、産業が滞り、ひいては日本社会が停滞する。リクルートワークス研究所の試算によれば、このまま物流クライシスを放置すれば、2040年には

「日本の1/4の地域」

は、荷物が届かなくなり、事実上居住不可能になるという。これを防ぐために、私たちは今までの考え方や行動を改め、物流クライシス対策にともなう痛みを受け入れなければならないのだ。そして、今までの考え方や行動を改めるのは、あくまで自分自身(あるいは私たちの子どもや孫の世代)のためであって、「ドライバーがかわいそうだから」という理由を主たる理由にしてはならない。

 繰り返すが、そんな他責の理由では、社会は物流クライシス対策にともなう痛みに耐えられないだろう。

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