「ハイブリッド車は売りやすい」 EV登場後も、ディーラーがHVの優位性を全然疑わないワケ【リレー連載】ハイブリッド・ア・ゴーゴー!(7)

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日本におけるHVの新車販売台数は、リセールバリューの高さなどから今後も高い傾向が続くと予想される。その理由をディーラーが解説する。

ディーラー視点のクルマ選び

燃料別メーカー別登録台数(乗用車)2024年2月(画像:日本自動車販売協会連合会)
燃料別メーカー別登録台数(乗用車)2024年2月(画像:日本自動車販売協会連合会)

 新車を販売するディーラーは、この流れをどう考えているのだろうか。以下、筆者の経験と、実際に現場で働いている知人の話をもとに考察してみたい。

 クルマの購入を検討している顧客には、当然のことながら予算がある。日本のメーカーの多くは、同じクルマでもガソリン車とHVを選べるようになっているが、HVはバッテリーやパワートレインの関係でガソリン車より数十万円高い。つまり、予算に収まらない顧客はガソリン車を選ぶことになる。

 もちろん、年間走行距離が多く、数十万円の投資が可能な人は必然的にHVを選ぶが、そうでない人も多い。コストパフォーマンスでクルマを選ぶ場合、HVは多様なラインアップのひとつにすぎないといえるし、ディーラーもそれを前提に提案する。

 また、コストパフォーマンスでクルマ選びを提案するディーラーの言葉に耳を貸さず、「燃費がいいから」とHVを購入する人は一定数いる。たとえ年間数千kmしか走らない人でも、目先の燃費のよさでクルマを買う動機になる人は多い。新車購入の目的が「燃費」や「静粛性」重視であれば、必然的にHVが選ばれるようになる。

 さらに、最近はリセールバリューを重視してクルマを購入する人が多い。また、クルマ自体が高価になっているため、現金一括払いではなく、残価設定型クレジット(残クレ)の利用が増えている。残価率はクレジット会社が決めるが、ガソリン車とHVをランナップしているモデルの残価率は同じではない。将来高く転売できそうなクルマや、メーカーが売りたいクルマは残価率が高くなる傾向がある。

 例えば、ガソリン車とHVで車両価格に50万円の差があっても、頭金などの条件を同じにして残クレを組むと、HVの方が残価率が高く、月々の負担が軽くなるモデルもある。それならHVを買いたいというユーザーも多いので、ディーラーも

「HVの方がお得ですよ」

というセールストークを展開しやすい。つまり売りやすいのだ。

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