「スペーシア」の反逆が始まった? Nボックス帝政に風穴を開けるか虎視眈々、夏商戦前バトルの行方とは
夏商戦での“隠し球”待ち
Nボックスとスペーシアはともに2023年後半にフルモデルチェンジした最重要モデルだ。おそらくこれから夏にかけて、新たなスペシャルモデルや限定モデルなど魅力的な商品戦略が展開されるだろう。ホンダは特に、販売実績を急速に伸ばしているスズキの今後の戦略を懸念しているはずだ。
ホンダにとって、スズキの猛追を招いた生産遅れは、今後も抜本的な体制改善が必要な深刻な問題である。一方、スズキはディーラーレベルでの販売戦略を強化しなければ、現在の勢いは維持できないだろう。
前述したように、メーカーブランドに特にこだわりのない顧客にとって最も魅力的な条件が販売価格だとすれば、ホンダに必要なのは、よりお得感のある限定モデルの投入である。
この点で、ディーラーレベルでの販売価格は、最終的に決定される最も重要なトップシークレット事項である。ホンダとスズキは、4月以降の商戦、とりわけ夏のボーナスシーズンに向けて、どのような“隠し球”を用意しているのか。そして、それが今後の販売成績にどのような影響を及ぼすのか。
スペーシアの33.1%増に続く2月は、スズキ・ワゴンRが27.1%増の7603台を販売した。また、日産デイズも21.4%増の5637台となった。これらの販売増は、個々のクルマの魅力というよりも、ディーラーの努力によるものだろうと推測できる。
ちなみに、スズキ・ジムニーの3755台(51.8%増)も純粋な台数だけなら目を見張るものがあるが、ユーザー層が明らかに異なるため単純比較はできない。
なお4月1日に発表された、3月の軽四輪乗用車台数(速報)は
・スズキ:5万2397台(前月比123.3%)
・ダイハツ:5257台(91.0%)
・三菱:8520台(133.9%)
・スバル:231台(240.6%)
・ホンダ:2万5263台(119.2%)
・マツダ:3874台(131.5%)
・日産:1万8951台(113.1%)
・トヨタ:821台(387.3%)
・その他:4台(50.0 %)
・合計:115318(120.3%)
となった。