「スペーシア」の反逆が始まった? Nボックス帝政に風穴を開けるか虎視眈々、夏商戦前バトルの行方とは

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スペーシアの販売台数は2024年1月から2月にかけて「33.1%増加」した。その背後には何があるのか。

スペーシアの販売台数が急増

スペーシア(画像:スズキ)
スペーシア(画像:スズキ)

 全国軽自動車協会連合会は、日本国内で販売されている軽自動車に関するデータを毎月発表している。そのなかで、2024年2月の軽四輪通称名別新車販売台数に興味深い結果が現れた。

 前月まで圧倒的な台数でトップを独走していたホンダ・Nボックスに、強力なライバルが現れたのだ。その名はスズキ・スペーシア。Nボックスと同じカテゴリーのいわゆる「トールワゴン」である。

 Nボックスの1万6542台に対し、スペーシアは1万5066台である。ちなみに1月のデータでは、

・Nボックス:1万7446台
・スペーシア:1万1316台

となっている。

 つまり、スペーシアの販売台数は1月から2月にかけて

「33.1%増加」

したことになる(Nボックスは5.2%減少)。これは実に大きな伸びである。

フルモデルチェンジ後の比較

Nボックス(画像:本田技研工業)
Nボックス(画像:本田技研工業)

 スペーシアの販売台数の伸びは、1年前の2023年2月の数字と比較するとさらに顕著だ。

・Nボックス:1万9652台
・スペーシア:9790台

である。要するに、両者はまったく比較にならなかったのである。ちなみに、Nボックスは2023年10月6日にフルモデルチェンジしている。一方、スペーシアのフルモデルチェンジは2023年11月22日である。

 これらを総合すると、フルモデルチェンジした両車と比較した場合、スペーシアのほうがユーザーからの評価が高いことが推測できる。しかし、

・外観デザイン
・インテリアのディテール
・メカニカルスペック
・安全性能
・その他のスペック

を比較すると、両車に明確な違いは見当たらない。

 真剣に購入を検討している人にとっては大きな違いがあるのかもしれないが、傍観者にとっては、販売台数に大きな影響を与えるほどの決定的な違いがあるとは思えないのである。

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