救急車に革命「患者の右側に立てる」 中身で勝負の新タイプ 救急医療を変える可能性

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トヨタと日産の2社寡占状態が続く救急車の世界。そのなかで新興メーカーのベルリングが新型救急車「C-CABIN」を発表した。現場の声を聞いて車体を大幅に改良した革新的救急車について、ポイントを聞いた。

新型コロナにも対応 救急隊員の感染リスクも低減

電動ストレッチャーの積み降ろしのデモンストレーションを実演する女性救急隊員(2020年11月18日、柘植優介撮影)。
電動ストレッチャーの積み降ろしのデモンストレーションを実演する女性救急隊員(2020年11月18日、柘植優介撮影)。

 4つ目の車内隔壁の設置と新型コロナウイルス対策については、千葉県の流山市消防本部から来ていた女性救急隊員が実際の事例として、新型コロナウイルス患者を搬送した際の話をしていた。

 それによると、患者室と運転席が隔てられていない場合、感染のリスクがかなり高いことが分かったという。そのため、新型救急車、すなわち「C-CABIN」では隔壁があることが心強いと話している。

 飯野社長によると、従来の救急車は、運転席と患者室でコミュニケーションがとれるよう、空間がつながっているのが普通だったそう。しかし「C-CABIN」では開発中に新型コロナが発生したことで、感染の疑いのある患者を搬送する際には、運転席および助手席の隊員に感染リスクが生じないよう隔壁を設けることにしたという。

 さらに運転席・助手席部分と患者室との間に気圧の差を発生させ、患者室内の空気はHEPAフィルターによってろ過するようになっているとのこと。またリアクーラーの吸気口も患者室に一体化する構造を採用し、空気の循環にも配慮することで感染を防止するようにしているそうだ。

 関係者の話では、「C-CABIN」はあくまでもコンセプトモデルの位置づけで、今後、現場の使用状況をさらにフィードバックさせて発展させていくとのこと。また現時点でベースはトヨタの「ハイエース」のみの展開であるものの、将来的には他メーカーの車両でも架装できるようにするほか、高規格準拠救急車以外の、たとえば軽自動車規格の救急車や病院を始めとした各種医療機関が使用する救急車などにも展開していくとのことだ。

 ベルリングでは2022年の量産化を目指しているそう。はたして「C-CABIN」が日本の救急車を変える存在になるのか、注目だ。(提供:乗りものニュース)

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