交通手段は丸ごと定額 店は「移動産」に 三井不動産の新構想で街はどう変わる?
暮らし方や働き方が変化し、生活や仕事の場の多様化が進んでいる。コロナ禍により傾向はさらに加速。三井不動産はこのような状況を踏まえ、ヒト・モノ・サービスの「移動」に着目したモビリティ領域に進出するという。その狙いとは。
毎月定額でタクシー、バス、クルマ、自転車が利用可に
三井不動産は2020年12月15日(火)、ヒト・モノ・サービスの「移動」に着目したモビリティ領域への取り組みを開始すると発表した。「MaaS(マース)」と「移動商業」の2本柱で実証実験を進めていくという。
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MaaSは「Mobility as a Service」の略称で、バラバラである交通機関をひとつのサービスとして捉え、シームレスにつなぐ、といった移動の概念。観光地で回遊性向上を狙ってMaaSの試行が実施されている例があるが、三井不動産によるMaaSの舞台は「街」だ。柏の葉(千葉県柏市)、豊洲(東京都江東区)、そして三井のお膝元である日本橋(同・中央区)という特徴の異なる各エリアで実証実験が展開される。
サービスは、毎月定額でタクシー、バス、カーシェア、シェアサイクルが使えるようになるというもの。プランは月1万円、5000円、2000円の3種類で、2割上乗せされた金額分(1万円のプランだと1万2000円分)の範囲内で、交通サービスの利用が可能になる。都度払いは不要で、移動手段の検索、ルート・手段の選択、予約、決済はスマートフォンのアプリで完結する。
同社が「都市近郊型」と位置付ける柏の葉では9月から実験中。参加者の約7割はマイカーを所有していないが、MaaSの利用で「初めての場所への外出」や「外出」そのものが増えたと、いずれも半数近くが回答したという。