トランスジェンダーの「自動車保険料」 男性より高い?安い? 多様性尊重の社会における「真の公平性」とは何か 米国最新事例で考える

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ジェンダーによる保険料の違いについて、日米を通して考える。

運転者属性で変わる保険料

自動車保険のイメージ(画像:写真AC)
自動車保険のイメージ(画像:写真AC)

 日本では、1990年代後半に自動車保険の保険料率が自由化された。外資系の損害保険会社によって、欧米のリスク細分型保険が持ち込まれ、日本でも扱われるようになった。

 リスク細分型保険は、

・運転者の属性(年齢、性別など)
・車の状態

などから自動車事故を起こすリスクを評価し、保険料を決定する商品である。

 これまでの統計から、日本では男性の方が女性より自動車事故を起こしやすいことがわかっているため、男性の保険料が女性より高くなるように設定している保険会社もある。男性のドライバーが多いことも影響しているだろうか。日本の2022年の運転免許保有者構成比は、

・男性:54.2%
・女性:45.8%

だったからだ。

 統計に基づいているので、男性の保険料が多くなるのは公平といえるのかもしれない。ジェンダー差別だといったら、年齢など他の属性も否定しなければならなくなる。

 とはいえ、“もやもやした感覚”がある人もいるだろう。そこで、2022年の運転免許保有者構成比が

・男性:49.4%
・女性:50.6%

の米国の自動車保険料がどうなっているか見てみたい。

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