「木を見て森を見ず」 バスドライバー不足で「給料上げろ」ばかりを騒ぎ立てる有識者の功罪【連載】ホンネだらけの公共交通論(7)
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バスドライバー不足をめぐる議論では、とにかく給料を上げるべきだという有識者もいる。物事はそんなに単純ではないし、ひとつの分野の知識だけで議論すべきではないのだ。
路線バス離れの原因
路線バスドライバーが不足して久しい。モータリゼーションが進み、マイカー化が進むなか、路線バス離れも歯止めがかからない。
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高齢者が増える一方で少子化が進み、路線バスは通学に期待できない。新型コロナによって在宅勤務が一般化した業界もあり、定期券収入の大幅減はバス業界にとって痛手だ。
特にDX関連業界では、会社に出勤すること自体を“出張”と見なして、自宅で仕事をすることが珍しくなくなっている。つまり、何らかの事情でオフィスに出勤した場合、往復分の交通費のみを支給する企業が多くなっているのだ。
在宅勤務を推進することで、企業はオフィスの賃料や維持費、光熱費を削減できる。もちろん、労働者の通勤費も削減でき、朝の通勤、夕方の帰社は過去のものとなりつつある。