ハイブリッド車がいくら再評価されても、「EV」がなくならないビジネス上の理由
進む異業種連携

こうした将来像を踏まえ、業界各社の動向はどうなっているのだろうか。いくつかの事例を紹介しよう。
三菱自動車は2024年1月、三菱自動車ファイナンスと共同で、EVやPHVに充電器やV2H機器などをワンパッケージ化したリースプランの提供を開始した。このワンストップ契約により、ユーザーの負担軽減と需要拡大が期待される。
ヤマダデンキを運営するヤマダホールディングスは、家電・住宅・自動車販売の融合を進めており、2023年10月から住宅とEVや太陽光発電設備などを組み合わせた「スマートハウス」を販売してる。子会社のヤマダホームズが販売する住宅には、日産自動車のEVや充電設備、太陽光発電設備などが標準装備されている。
価格帯は住宅のグレードに応じて約3000万円から4000万円までの価格帯で3タイプを用意する。ヤマダデンキも各社のEVを店頭で扱い始めた。
設備市場にも多くの企業が参入している。住宅設備を販売するリクシルは、住宅の外観に溶け込むデザインのEV充電器やEVコンセントポールの販売を開始した。また、シャープは2月、業界最軽量のEVコンバーターでV2H市場への参入を発表した。
こうした変化のなかで、自動車販売に注力してきた自動車ディーラーは、ライフスタイルそのものを提案するビジネスモデルにシフトしていくだろう。家電量販店など異業種との提携も進むかもしれない。自動車購入時の付帯商品として、車両保険以外に、火災保険などの保険商品や金融商品・サービスを販売することも可能になるはずだ。
需要が伸び悩み、HVやPHVが脚光を浴びているにもかかわらず、EVへの注目がなくならないのは、単に最新技術を採用しているからではなく、これまで想像もできなかったような産業間のコラボレーションの機会を提供するからだ。
EVが普及する時代には、社会はどのようになっているのだろうか。