ハイブリッド車がいくら再評価されても、「EV」がなくならないビジネス上の理由
EVシフトの課題

HVやPHVに再び注目が集まっていることからもわかるように、EVの普及率がこのまま順調に伸びていくとは思えない。金利や販売価格の上昇、成長を支えてきた補助金の終了など、複数の要因がEVシフトの淘汰(とうた)を引き起こしているからだ。
2月29日に発表された、デロイトトーマツの「2024年グローバル自動車消費者調査」によると、「次の購入車で希望するパワートレイン」は国別に次のようになっている。
・米国:ガソリン/ディーゼル67%、HV16%、PHV5%、BEV6%
・日本:ガソリン/ディーゼル34%、HV32%、PHV9%、BEV6%
・中国:ガソリン/ディーゼル33%、HV18%、PHV13%、BEV33%
・ドイツ:ガソリン/ディーゼル49%、HV10%、PHV11%、BEV13%
ガソリン車に対する需要は依然として強い。また、次世代車のなかでは、BEVよりも安価なHVへの関心が高まっているようだ。
変化するビジネスモデル

EVの普及によって最も大きく変わるのは、新車ディーラーのビジネスモデルだ。
日本自動車販売協会連合会の調査(1006社対象)によると、新車ディーラーの収入内訳は
・販売:79%(新車66%、中古車13%)
・サービス:19%
・その他:1%
だった。一方、粗利内訳は
・販売:49%(新車35%、中古車14%)
・サービス:50%
・その他:1%
であった。
収入の中心は販売であり、セットのサービスは限られていた。しかし、EVの普及によって、家庭用電力機器や太陽光発電など、EVとセットで販売できる商品の幅は大きく広がる。さらに、V2Hの販売も期待される。
V2Hとは「クルマ(Vehicle)から家(Home)へ」の略で、EVやPHVのバッテリーに蓄えた電力を家庭で使えるようにする装置だ。通常、EV充電設備は家庭用電力をEVに給電する装置であり、EVの電力を家庭に給電することはできないが、V2HによってEVの電力を家庭に給電することが可能になり、災害対策などが可能になる。