「滋賀は京都の植民地か」 北陸新幹線「大阪延伸」に立ちふさがる、湖西線“並行在来線”化という悩ましき宿痾
北陸新幹線の大阪延伸は京都府の反対で宙に浮いたままだが、もうひとつ難しい問題がある。それは、湖西線の並行在来線問題である。
「滋賀は京都の植民地か」と住民反発

湖西線は滋賀県長浜市の近江塩津駅から琵琶湖西岸の高島市を走り、大津市から京都市山科区の山科駅に至る延長74.1km。21駅が設けられているが、山科駅以外は滋賀県内に位置する。湖西線の普通列車のほか、サンダーバード、関西を縦断する新快速が運行し、全列車が琵琶湖線経由で京都駅に乗り入れている。
JR西日本によると、1km当たりの1日平均旅客人員を表す輸送密度は、湖西線を通過するサンダーバードの乗客を含めて2022年度全線平均で
「2万9155人」
富山県のあいの風とやま鉄道など過去に並行在来線として経営分離された路線と比べると高い数字だ。
駅間移動者など詳細なデータは公表されていないが、国交省が2015年度に実施した第12回大都市交通センサスで滋賀県内の駅間移動者を見ると、沿線北部の長浜市は極めて少ない駅間移動者しかいない。しかし、中部の高島市は南へ向かうほど駅間移動者が増える。南部の大津市は政令指定都市並みになる。
湖西線が並行在来線の検討対象になることは2016年、JR西日本から三日月大造滋賀県知事へ伝えられた。その後、京都府内の反対運動もあり、並行在来線の協議は始まっていないが、滋賀県や沿線自治体は強く反発している。
滋賀県交通戦略課は
「大阪延伸に並行在来線は存在しないというのが県としての主張。この主張を今後も続ける」
高島市都市政策課は
「JR西日本からアクションはないが、県と歩調を合わせ、湖西線が並行在来線となることに反対していく」
と述べた。
大津市の大津京駅で列車待ちのサラリーマン(29歳)に話を聞いた。
「滋賀がどうして京都の犠牲にならないといけないの。まるで滋賀が京都の“植民地”みたいな扱いやね」
と不満を口にした。