ダイハツ再発防止策 開発日程「1.4倍延長」は吉と出るか? 1月の軽3位転落&シェア半減に見る、避けられぬ市場競争の激化
ダイハツは、国土交通省に再発防止に関する報告書を提出。開発標準日程を従来の1.4倍に変更するとした。本報告書では、再発防止策としての開発期間の延長に焦点を当て、検証する。
スズキとの戦略対決
ダイハツの開発陣にとっては、開発期間が1.4倍に延びることで、短期間での開発を余儀なくされていた技術者にとっては、
・短期開発の精神的なプレッシャーから解放
・ゆとりある開発スケジュールによって、残業削減などの職場環境が改善
・開発に専念する時間が十分に与えられ、本来やるべき仕事を全うできる
のような開発環境が与えられることになり、一時的に従業員満足度が一定レベルまで高まるという安心感があるのだろう。
しかし、そんな悠長な時間もつかの間かもしれない。認証不正発覚後に発売される新型車は、ダイハツの起死回生が絶対条件だ。著しく低下したブランド力を「三つの誓い」によって回復させなければならない。文字どおり社運を賭けた車両開発には、社内外からのプレッシャーも相当なもので、開発陣も新たなプレッシャーに立ち向かわなければならず、険しい道のりが待っている。
一方、ダイハツ最大のライバルであるスズキがどのように戦略を練り直すのかが注目される。スズキは
「少・小・軽・短・美」
を基本理念として、開発期間の短縮に取り組んでいるとされている。
ダイハツは、開発期間の延長を好機ととらえ、短期間で新型車を投入し、新車販売台数とシェアを一気に伸ばす戦略を推進すると予想される。その結果、軽自動車市場での競争がさらに激化し、スズキの開発陣に過度なプレッシャーがかかることが予想される。