鉄道総研「建築限界支障判定装置」を開発 既存車両に搭載可 80km/hで検測

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鉄道総合技術研究所が建築限界支障判定装置を開発。既存の軌道検測車に取り付けが可能で、昼夜を問わず、80km/hでの測定が可能。すでにJR九州で運用が始まっている。

レーザー測域センサを既存車両に追加

建築限界支障判定装置(画像:鉄道総合技術研究所)。
建築限界支障判定装置(画像:鉄道総合技術研究所)。

 鉄道総合技術研究所(鉄道総研)は2021年10月4日(月)、線路脇の設備や構造物が車両走行の支障になるかを簡易的かつ連続して調べられる建築限界支障判定装置を開発したと発表した。

 設備などが列車に接触しないよう、線路には「建築限界」が定められている。通常、鉄道事業者は、対象設備との距離をメジャーなどを使って手で測ったり、建築限界測定用の特殊車両で検測したりして建築限界を判定している。しかし、手検測は時間的・人的コストを要し、特殊車両検測は車両の導入コストがネックになっている。

 今回開発された装置は、既存の軌道検測車に取り付けが可能。特殊車両を用いることなく、通常の軌道検測に合わせて建築限界支障測定ができるという。

 装置は、レーザーの反射時間により線路脇の構造物との距離を測定するレーザー測域センサを使用。昼夜を問わず、また80km/hの比較的速い速度で測定が可能だ。管理ツールと組み合わせて結果の出力もできるようにしている。

 鉄道総研によると、担当者が現地で手検測していた対象設備のうち75%程度が、この装置により位置に問題ないことを確認できているという。すでにJR九州は2021年4月からこの装置を運用しており、在来線の信号機や標識、電化柱など約18万点の地上設備の管理に活用している。

 なお測定結果は三次元データとして得られるため、軌道の断面形状なども測定が可能。軌道中心間隔(並行する軌道の中心間の距離)の測定などへの適用も検討しているという。