年間50億円! 羽越本線「村上~鶴岡」が大赤字を垂れ流し続ける根本理由
- キーワード :
- 鉄道
JR東日本は2023年11月、利用が少ない線区の経営情報を開示した。34路線の62区間で合計648億円の赤字だった。
不均衡な線路使用料

日本海側の線区では、羽越本線の酒田~羽後本荘間も29億4100万円の赤字となっている。奥羽本線の東能代~大館間で32億9600万円、大館~弘前間で24億2500万円、津軽線の青森~中小国(なかおぐに)間で17億7600万円の赤字となっていて、やはりいずれの線区も赤字の額が大きい。
これらの線区は、貨物列車が走行していたり、津軽線を除けば県庁所在地同士を結ぶ特急列車が走行していたりする。したがって、社会的役割を考えれば廃止することはできないと考えられるし、おそらくJR東日本も廃止することは考えていない。
しかし、このように巨額の赤字を計上しているにもかかわらず廃止もできないといった線区こそが経営上の大きな問題であると考えられるようになり、是正に向けて動き出すといったことがあっても、まったく不思議ではないといえる。
なお、貨物列車を運行するJR貨物は、JR東日本などの会社(旅客会社)の線路を無料で使用しているわけでは当然なく、旅客各社に対して線路使用料を支払っている。ところが、この線路使用料のルールがJR貨物にとって有利なものとなっている。「アボイダブルコストルール」と呼ばれるものだ。
JR貨物の列車が走行しなければ回避できる経費、例えば
「貨物列車の走行によって摩耗したレールの交換費用」
などのみをJR貨物が負担するというルールである。貨物列車が走らないならば不要になるはずの設備を維持管理するための費用は旅客会社が負担しているという構図で、JR貨物の負担は本来の30%から10%程度にも低減されているといわれている。事実上、旅客会社からJR貨物への補助となっている一面がある。