年間50億円! 羽越本線「村上~鶴岡」が大赤字を垂れ流し続ける根本理由

キーワード :
JR東日本は2023年11月、利用が少ない線区の経営情報を開示した。34路線の62区間で合計648億円の赤字だった。

羽越本線の巨額赤字

鶴岡駅(画像:写真AC)
鶴岡駅(画像:写真AC)

 すでに2023年5月には、JR東日本の申し入れにより、千葉県、君津市とこの区間の交通体系について協議・検討する会議が設置されている。

 会議は廃線を前提としたものではないものの、この区間は他の鉄道路線と接続しない行き止まりの区間であり、鉄道網において果たす役割は限られる。平均通過人員も、バスで十分旅客を運びきれると認められる水準である。だからこそJR東日本は検討会議の設置を申し入れたのだと考えられ、

「鉄道のまま残す」

という結論を導き出すことは、相当難しいと予想される。こういった線区は平均通過人員が極めて少ないことから、大量輸送を得意とする鉄道が、その特長を生かせていない線区であり、廃止が検討されるのはやむを得ないところである。しかし、本記事の主題としたいのは、62の線区の中で

「最も巨額の赤字となった線区」

だ。それは新潟県の新津駅から秋田県の秋田駅までを結ぶ羽越本線の、村上~鶴岡間の80.0kmの区間である。運輸収入4億5300万円に対して営業費用は54億円で、49億4600万円の赤字である。

 羽越本線には途中、これといった大都市が存在しないことに加えて、この区間は新潟県と山形県の県境をまたぐので、移動の需要は限られる。とはいうものの、普通列車に加えて、新潟駅から酒田駅または秋田駅を結ぶ1日7往復の特急「いなほ」が運行されていて、1日あたりの平均通過人員は1171人に達している。

 陸羽東線や久留里線と比べれば相当に多い。営業係数は1191であり、もちろん悪い数字ではあるが、やはり陸羽東線などと比べれば桁がひとつ下がる。

全てのコメントを見る