白いロマンスカー「VSE」がわずか18年で引退を余儀なくされたワケ
曲線的で洗練された白い外観が特徴だったロマンスカー50000形「VSE」。なぜわずか18年しか使われなかったのか。
わずか18年で引退

2023年12月10日、小田急電鉄のロマンスカー50000形「VSE」がラストランを迎えた。営業運転開始は2005(平成17)年で、重大な欠陥がなかった鉄道車両としては寿命が短く、わずか18年しか使用されなかった。
引退間際のVSEを見て「デビューしたばかりのロマンスカー」と勘違いした人もいたほどで、多くの鉄道ファンがカメラを向けていたことからも、状態がいかに美しく保たれていたかがわかる。
VSEは箱根への観光輸送に特化したロマンスカーとして開発された。ロマンスカーの伝統を受け継ぎ、前面展望車と、2両の車両の間に台車を置く連接構造を採用している。移動時間の質を高めるため、ドーム型の高い天井、温かみのある木の内装、車体の傾きをコントロールする装置など、快適な室内空間が実現された。
曲線的で洗練された白い外観は、鉄道ファンでなくとも魅力的だった。