トラックドライバーが子どもの「本当になりたい仕事」になれないワケ 映画や玩具、独自文化が人気なのになぜ?

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映画の題材になり、独自文化を生んだトラックドライバーという職業が、子どもたちの「なりたい職業」になっても不思議はないが、人手不足はいまだに改善の兆しを見せない。なぜなのだろうか。

若手減少、中高年増加

新小学1年生4000人を対象に実施した「将来就きたい職業」(2023年版)調査(画像:クラレ)
新小学1年生4000人を対象に実施した「将来就きたい職業」(2023年版)調査(画像:クラレ)

 幅広い世代に知られ、映画の題材にもなり、独自文化を持つトラックドライバーという職業が「なりたい職業」になっても不思議ではない。実際、化学メーカーのクラレが新小学1年生4000人を対象に実施した「将来就きたい職業」(2023年版)調査でも、「運転士・運転手」は7位にランクインしている。しかし、人手不足が改善する兆しはまだ見えない。

 全日本トラック協会が発表した『日本のトラック輸送産業 現状と課題 2022』の「道路貨物運送業年齢階級別就業者構成比」によると、2010(平成22)年には10代と20代を合わせた全ドライバーの11.6%、30代は27.1%だった。しかし、2021年には20代以下が10%、30代が14.1%となり、約10年間で若年ドライバーが10%減少していることがわかった。

 一方、40代以上のドライバーは増加傾向にある。特に50代以上のドライバーは2010年の33.7%から45.2%と半数近くまで増加している。決して衰退産業ではないトラック運送業が若い世代に敬遠されているという事実は、人手不足問題の根深さを示唆している。

 実際、有効求人倍率は高い。前述の『日本のトラック輸送産業 現状と課題 2022』によると、ドライバーの有効求人倍率は常に全職種平均より高く、2倍前後で推移している。求人倍率が高いということは応募が少ないということであり、収入や労働時間の問題が関係していると考えられる。

 トラックドライバーの年収は、全産業平均と比べて大型ドライバーが約5%、中小型ドライバー手が約12%低く、年間労働時間は2021年の全産業平均と比べて大型ドライバーが432時間(月36時間)、中小型ドライバーが372時間(月31時間)長い。

 給与が低く、労働時間が長ければ、新規労働者や若年労働者の獲得は困難である。

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