なんと500社以上! なぜ中国には「EVメーカー」がやたらと多いのか

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中国では現在、500社以上のメーカーがEVを生産している。実際、中国のEV情報サイトを見ていると、日本ではまったく知られていないメーカーが数多く見つかる。

新興企業の競り合い

2024年1月23日発表。主要11か国と北欧3か国の合計販売台数と電気自動車(BEV/PHV/FCV)およびHVシェアの推移(画像:マークラインズ)
2024年1月23日発表。主要11か国と北欧3か国の合計販売台数と電気自動車(BEV/PHV/FCV)およびHVシェアの推移(画像:マークラインズ)

こうした事情から、中国でシェアを伸ばしている企業には新興企業が目立つ。前述の販売台数上位企業の設立年は次のとおりである。

・BYD:比亜迪汽車(2003年)
・広汽埃安:広州汽車集団(1955年)
・吉利汽車:吉利汽車(1986年)
・長安汽車:長安汽車(1862年)
・理想汽車:理想汽車(2015年)
・上海汽車乗用車:上海汽車集団(1958年)
・長城汽車:長城汽車(1984年)
・蔚来汽車:上海蔚来汽車(2014年)

 現在トップシェアのBYDは、電池メーカーの比亜迪股フン有限公司(BYD、フンはにんべんに分)の子会社として設立された。理想汽車はIT企業出身の新参者だ。創業者の李想は2005年に自動車販売サイト「汽車之家」を立ち上げて成功を収め、2015年にメイトゥアンやバイトダンスの出資を受けてEV市場に参入した。

 長城汽車は1984年に中国初の民営自動車メーカーとなり、政府がまだ中小メーカーの生産を規制していた2002年に初のSUV「賽弗(SAFE)」で成功を収めたことで知られる。当時、SUVは乗用車の生産規制に抵触しなかった。

 このように、中国のEV市場の特徴は、古くからの大企業、民間企業、新興企業がシェア争いを繰り広げていることである。

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