乗り放題「敬老パス」、対象年齢&負担引き上げ必要? 世代間の“不公平感”解消ネックか
東京都では70歳以上の都民が利用可。今後さらに高齢化が進むなか、日本の敬老パスはどうなっていくのだろうか。
ロンドンのパスの問題

以前はいつでも使えるパスだったが、2020年6月から、混雑緩和とソーシャルディスタンスのために、平日朝9時まで(鉄道は9時半)の利用が制限された。
乗客減によるロンドン交通局の経営状態を理由に、2023年に恒久的な措置と決定し、多くの批判を受けた。パンデミック(世界的大流行)で制限されて以降、少なくとも7万人以上が嘆願書にサインをするなどしていた。
パンデミックの期間の実績では、60歳以上の人々から朝のラッシュアワーの料金を徴収することで、年間4000万ポンド (約75億2000万円)の収入になっていたといわれる。
高齢者の利益を促進する慈善団体である「エージ・ユーケー・ロンドン(Age UK London)」によれば、平日午前9時前に移動する60歳以上のロンドン市民の目的は、
・通院 (31%)
・通勤(28%)
・家族や友人の介護(8%)
であった。2020年6月に一時停止が導入されてからというもの、37%の人が移動回数を減らし、27%が交通費を捻出するために節約をした。なかでも深刻なのは、13%が仕事を辞め、16%が家族や友人の介護を止めたことである。
ロンドンの高齢者の4人にひとりが貧困状態といわれるなか、低賃金の仕事の早朝シフトなどで働いている人もいる。特にロンドンの地下鉄料金は高くて有名だ。英国では一般的に、会社から交通費の支給がないので大きな打撃となった。
通院の問題に関しては、市からは、高齢者の病院の予約は午後にするよう病院に要請がいった。パスの資格年齢の引き上げも検討されていたが、市当局からの資金提供で免れることができた。