乗り放題「敬老パス」、対象年齢&負担引き上げ必要? 世代間の“不公平感”解消ネックか

キーワード :
,
東京都では70歳以上の都民が利用可。今後さらに高齢化が進むなか、日本の敬老パスはどうなっていくのだろうか。

ロンドンの現状

ロンドンの街並み(画像:写真AC)
ロンドンの街並み(画像:写真AC)

 海外ではどうか。この手の特典について、より手厚い都市のひとつが英国のロンドンである。以前、現地の50代後半の知人が、

「60歳になったら地下鉄もトラムもバスも電車(一部を除く)も無料になるの。すごいでしょう」

と誇らしげに話していたのだが、本当にすごいと驚いたものだ。

 60歳以上が持てるパスは2種類ある。66歳の年金受給者になるまでは、発行時に20ポンド(約3760円)、毎年更新に10ポンドがかかる「60+オイスターカード」を申請する必要がある。年金受給者になれば手数料のかからない「高齢者フリーダム・パス」が持てるようになる。後者は英国全土のローカル・バスも無料で利用できるのである。

 前者はロンドン交通局が資金提供され、後者は33の自治区による。

 60歳以上のロンドン市民は約145万8000人(2021年時点)である。うち約135万人がパスを利用している(2023年1月19日付『The Standard』)。

 シルバーパスが対象となる70歳以上の東京都民約249万7000人(2023年時点)と比べると少ないが、人口に占める割合は、

・ロンドン:約16.6%
・東京:約18.0%

であり、そこまで大きな違いはない(2023年時点)。

全てのコメントを見る